ノリよく音楽を楽しもう [ヘッドホン・イヤホン]
【予算】 2万まで
【使用機器】 iPod(そのうちポタアン)
【よく聴くジャンル】 ポップス、打ち込み
【使用場所】 室内外、電車
【希望の形状】 オーバーヘッド、折りたたみ
【期待すること】ノリ良く楽しめること
某所でよく使われるテンプレですが、
上記のような条件下で勧められる機種に
audio-technica ATH-ES7
Victor HP-M1000
ULTRASONE DJ1PRO
のような自分の所有している機種が挙げられることがあります。
そこでふと思ったのですが、これらはどれほど使い分けができるのだろう?
そんな疑問を解消したく、記事にして比較してみました。
使用機器は基本的にiPodで
参考程度にD2 Boaを使用するものとします。
評価の仕方としては、ポップスのみを対象とし
何曲かは曲名をあげて聴き、それぞれのヘッドホンでの感想を書き、
その後で他の曲も含めて、主観的ではありますが比較評価したいと思います。
それでは1曲目
よりTrack05.「Iris」
同アルバムの中でもかなりテンポの速い曲で
テンションの高さやスピード感が問われます。
ATH-ES7:低音の締まり、音圧共にかなり良い。
高音も派手で、ボーカルの上ずりすらも好印象になる。
総じて楽しく聞ける。
難点を言えば低音の分離が良くない、ボーカルがやや埋もれる。
HP-M1000:低音がややもたつき、スピード感に欠ける。
高音も少しだけ細さが気になり、派手さに欠ける。
安定感はあるのだけれど、この曲にはあまり要らないように感じる。
DJ1PRO:低音は量がやや物足りないものの、質はかなり合っている。
高音もギラギラ感が出てきていて楽しい。
ボーカルはやや遠目から聞こえるものの、輪郭がはっきりしている。
この曲では
ノリのよさやテンションの高さならATH-ES7
安定感やボーカルの聞こえやすさならHP-M1000
全体的な質の高さを求めるならDJ1PRO。
HP-M1000は合わないものの、他二機種はかなりよい。
続いて2曲目
よりTrack15.「Once&Forever」
一曲目同様テンションの高さ(熱さ)が求められる。
また、あまり質の高くない低音をどう扱うかがポイント。
ATH-ES7:やはり勢いのある低音。
ソース自体で少ない高音も良い位に強調される。
ボーカルもそこまで埋もれず、力強くてよい。
HP-M1000:低音がもっさりしすぎで、迫力にも欠ける。
高音がやや細い気もするが、刺激としては悪くない。
ボーカルは聞こえやすいし、質もそこまで悪くない。
DJ1PRO:低音の量がかなり足りない。スカスカに感じる。
高音も不自然さが強いのに、変に目立つ。
ボーカルもこじんまりとしていてつまらない。
この曲では
テンションの高いATH-ES7
安定感のあるHP-M1000
DJ1PROは空回りといった印象でした。
次は3曲目
のDISK2よりTrack05.「魔法の言葉~Would you marry me?~」
主張してくる音数が多いのでバランスやボーカルが埋もれないかがポイント。
ATH-ES7:低音は質・量ともに少々物足りない。もう少し音の広がりが欲しい。
高音は意外と分離も悪くなく、明るさもちょうど良い位。
ボーカルは質は悪くないけれど、やはり少々埋もれる。
HP-M1000:低音は質・量ともにほどよい。
高音は音の輪郭がやや甘いけれど、悪くない。
ボーカルは自然な感じで聞こえやすい。
DJ1PRO:低音は2曲目ほどではないものの量が足りない。
高音は分離・明瞭さ、どちらも優れているが、そのせいかややうるさくもある。
ボーカルは1曲目同様遠目ではっきりと聞こえる。
この曲では
大変安定していてバランスの良いHP-M1000が優れていると感じる。
他二つもダメというわけではないけれど、確かな差はある。
最後に4曲目
よりTrack08.「Floatin'」
独特の空気感が漂う曲。ボーカルの表現も難しい。
ATH-ES7:低音は量はいいくらいだが、音圧がありすぎる。
高音は明るさはいいけれど、不自然感が強い。
ボーカルはいまいち。埋もれはしないけれど艶っぽさが足りない。
今まではさほど気にならなかった音場の狭さや抜けの悪さが目立つ。
HP-M1000:低音がすごく良い。量は勿論、適度な締まりと厚みのある音が魅力的。
高音はやや量が足りない。
ボーカルはほどよく艶がのり、聞こえやすい。
DJ1PRO:低音は量が足りない。締まりがありすぎて迫力がない。
高音はかなり不自然。
ボーカルも不自然さが拭えない。
この曲でもHP-M1000が優れている。
今回は他の二つがかなりこの曲と相性が悪く感じる。
曲名を挙げての感想は以上となります。
女声・男声半々で、1曲目は打ち込み。
2曲目以降は段々とソースの質を上げていったつもりです。
感想をまとめると
ATH-ES7:打ち込みにはかなり良い。テンションが高い。
HP-M1000:スピード感はないものの、安定感はある。ボーカルが聞こえやすい。
DJ1PRO:打ち込みはよいのだけれど、合う合わないが激しい。
ふと思ったことで、ソースが良くなるにつれHP-M1000が良くなっていった。
もう1曲おまけでやってみたいと思います。
Pure-AQUAPLUS LEGEND OF ACOUSTICS-
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: KINGRECORDS.CO.,LTD(K)(M)
- 発売日: 2007/11/28
- メディア: CD
よりTrack09.「キミガタメ」
様々な弦楽器や独特な音を出すパーカッションの表現がポイント。
ATH-ES7:低音は思った以上に厚みがないし、量もやや足りない。
弦楽器は明るく心地よく聞こえるが、自然な感じや繊細さはない。
ボーカルは悪くないが、音数が増えると埋もれる。
やはり、音場の狭さは感じる。
HP-M1000:低音は厚みはあるが量がかなり足りない。
パーカッションの表現がかなり良くない。軽くて耳障り。
弦楽器は可もなく不可もなく。地味。
ボーカルはかなり良い。Suaraとの相性がいいと思われる。
DJ1PRO:低音の量がやはり足りない。不自然さが強い。
パーカッションは厚みがない。
弦楽器は明るすぎる気がする。
ボーカルは上ずり不自然さがあるけれど、そこまで悪くない。
この曲ではどれも相性がよくないように感じる。
HP-M1000の評価が何とも付けにくい。
以下、比較評価
低音
総合 ATH-ES7≧HP-M1000>DJ1PRO
量的にはATH-ES7=HP-M1000≧DJ1PRO
音の締まりはDJ1PRO>ATH-ES7>HP-M1000
音圧はATH-ES7≧DJ1PRO>HP-M1000
音の厚み的にはATH-ES7=HP-M1000≧DJ1PRO
音の分離的にはDJ1PRO>ATH-ES7=HP-M1000
ATH-ES7は量・音圧で優れ、程よい音の締まりで非常にノリが良い。
逆にDJ1PROは特殊な音場を形成することに加え、分離感がよく、
音の締まりがありすぎて、曲によってはスカスカに感じてしまう。
HP-M1000は無理なくノリを良くした感じで、生楽器の表現がいい。
もう少し量があってもいいような気がするが、そうすると籠り感が出てしまいそうなので難しい。
高音
総合 ATH-ES7≧DJ1PRO>HP-M1000
量的にはDJ1PRO≧ATH-ES7>HP-M1000
音の太さ的にはATH-ES7>DJ1PRO≧HP-M1000
音の明るさ的にはDJ1PRO≧ATH-ES7>HP-M1000
音の分離的にはDJ1PRO>ATH-ES7≧HP-M1000
ATH-ES7は大変テンションの高い高音を聞かせてくれる。
DJ1PROは量が多く、やや音が細いため、うるささを感じることがある。
しかし、刺激が欲しい曲ではかなり魅力的な音を出す。
HP-M1000はやや地味で目立たない音を出す。
ボーカル
総合 DJ1PRO≧ATH-ES7≧HP-M1000
求めるものや曲によってかなり違うので評価が難しい。
あえて質の高さを順番に書くならこうなる。
DJ1PROはとても輪郭がはっきりとしていて、明るい感じが出ている。
ATH-ES7は力強さと明るさが両立されているけれど、埋もれやすい。
HP-M1000は聞こえやすいのだけれど、それは音像が大きいだけで質が高いとは言えない。
とはいえ、癖が少なく、万能感はある。
音場
DJ1PRO≧HP-M1000≧ATH-ES7
DJ1PROが音場も特殊とはいえ広いし、定位感もしっかりしている。
HP-M1000は狭いけれどATH-ES7よりはマシだし、籠り感が薄い。
しかし、ノリよく音楽を聴くというのならば、音場が広いことが無条件にいいというわけではないので
場合によっては全く逆の評価になる可能性もある。
装着感
HP-M1000>DJ1PRO>ATH-ES7
HP-M1000もそこまでいいというわけではないけれど、
長時間付けていても多少蒸れやすい位で、痛くなるところはない。
DJ1PROは長時間付けてると頭頂部が痛くなるし、蒸れやすい。
ATH-ES7は頭頂部も耳も痛くなる。
音漏れ
ATH-ES7=DJ1PRO≧HP-M1000
そこまでうるさくない環境下で、やや大きめの音量で聴いても
1m先の人には聞こえないようだったので、基本的にどれも問題ないと思われる。
あえて言うならHP-M1000が漏れやすいように感じた。
遮音性
DJ1PRO≧ATH-ES7=HP-M1000
こちらもそれほど差はない。
あえて言うならDJ1PROが優れている。
総評
あくまでセラミックの中の人が聴くようなポップスのジャンルならば
ATH-ES7が最も優れているように感じた。
スピード感やテンションの高さがノリよく聴くためにかなりいい。
もう少し狭義、打ち込みあたりを重視するならDJ1PRO
逆にもう少し広義、流行りの曲あたりを重視するならHP-M1000
の方が合っている、ということもあると思います。
まとめ(感想)
正直、3つは要らない。
よっぽど細かく使い分けをしようとしない限り、使わない子ができる。
ノリよく音楽を聴くということならば、私的には2つあれば十分だと思う。
HD25が欲しくなりますね。
>>音の厚み的にはATH-ES7=HP-M1000≧DJ1PRO
これは個人的にはDJ1PROの1トップと言うかDJ1PRO以上に厚みのある機種ってPROlineシリーズやEdition9しか聴いたことないんだけど。やっぱりアンプなのかな?ぜひAT-HA5000やGCHAみたいなパワフルなアンプで聞いて欲しいです。ゾネってかなり駆動力が必要だと思うんですよ。特にPROlineシリーズやDJ1PROは、パワフルなアンプを通すと低域にグッと厚みが出ますし、高音は鮮やかさはそのままに余計な粗っぽさが無くなって聴きやすくなりますよ。
by うぐぅ~ (2008-10-24 21:07)
うぐぅ~さん、コメントありがとうございます。
今確かめてみたところ(ソースはIrisとキミガタメ)
D2:ATH-ES7≧HP-M1000=DJ1PRO
DAC1:ATH-ES7=DJ1PRO>HP-M1000
くらいでしょうか、多少色目使っても。
もちろん、この三つの中でDJ1PROはアンプの影響を受けやすく、
iPodではつまらない音になりやすいとは思います。
まぁ、その辺を含めて最初に断り書きで書いてますし。
加えて、DJ1PROはソース(周波数?)によって厚みの出やすい音、出にくい音があるようで
ポップスという広い分野で楽しく聴く、ということでは低い評価に見えるかもしれませんね
by セラミック (2008-10-24 21:40)
ES7・・・そういえば欲しかったですがまったく買ってないです。
耳乗せが嫌いだからですけど。音は好みだったんですが。
DJ1PROは本当にアンプによって化けますし、癖がありすぎますね。
癖は最近は慣れましたがやっぱり・・・となってしまいます。
特に弦楽器系・・・アコギはいいんですが、エレキは粗かった気がします。
それがなければ好きなキャラなんですけどねーー;
by spin (2008-10-25 18:17)
Rieverさん、Niceありがとうございます。
by セラミック (2008-10-28 01:03)
spinさん、Niceとコメントありがとうございます。
耳乗せは評価が難しいですよね。
持ち運びやすいけど、基本的に装着感が悪いので。
さすがに室内で使うかと言われたらごめんなさいですね(^_^;
DJ1PROは最初はそこまで変に感じなかったのですが、
色んな機種を聞くとより癖を感じるようになりました。
それと自分はSロジとあんまり相性がよくないみたいです(-_-
by セラミック (2008-10-28 01:08)
>それと自分はSロジとあんまり相性がよくないみたいです(-_-
私もあれは気持ち悪いです・・・。それ以前に"密閉型の壁"がダメなんですが^^;
by spin (2008-10-28 18:45)
”密閉型の壁”ですか、DJ1PROは比較的感じない方だと思うのですが・・・
そうだとしたら、たぶんES7やDT770PROはきついでしょうね
by セラミック (2008-10-30 10:02)
自分でもあれを"密閉型の壁"なのかよくわからないのですが^^;
低音の妙な圧力というか・・・表現が難しいですね。
もしかしたらあの低音が嫌いなだけかもしれません・・・。
DT770PROがそうならば、要試聴な感じですね。
因みにES7は大丈夫でした。(そもそも耳に密着しないから逃げる。。。)
by spin (2008-10-30 22:59)
ああ、なるほど。あの圧力はDJ1PRO独特なものだと思いますよ。
自分もあれは苦手ですから(^_^;
私的には抜けや横の広がりが、やや不自然な時や
無駄なまでの厚みを伴った音圧から”密閉型の壁”を感じました。
by セラミック (2008-10-31 22:38)