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SOUND Valvex-SE [据え置き]

SOUND ValveX-SE の紹介レビューです。








今さらながら初の本格的ヘッドホンアンプの紹介レビューです。
どういった形式でやろうかと悩みましたが、
DAC1のアンプとの比較を行いながらレビューしたいと思います。
その際、表記を簡略化するため、DAC1のアンプをDAC1とします。


使用機器:PS3→DAC1(アンプ部使用)
               →ValveX-SE(真空管はデフォルト)

使用時間:DAC1(1000時間超)
       ValveX-SE(100時間超)



音色


低域:量はValveX-SEの方が多い。極低域はそこまで差がないけれど、
    ウッドベースなどの楽器の帯域では結構な差がある。
    厚みもValveX-SEの方がかなりある。
    キレや響きはDAC1の方がすっきりしている。
    しかし、ValveX-SEも量の割にはすっきりしていると感じる。
    締まりはDAC1の方がある。量の違いを考慮に入れてもValveX-SEは少々膨らむ。
    分離感はValveX-SEの方が若干良い。



高域:量はDAC1の方が多い。
    DAC1は硬めの音、ValveX-SEはやや柔らかいか普通。
    どちらも音の太さは細め。DAC1の方がかなり細い。
    DAC1の方が刺激的な音を出しやすいが、
    ValveX-SEは音の輪郭が濃いので、こちらも刺激的な音が目立ちやすい。
    ValveX-SEの方が鮮やかに鳴らすし、分離感が良い。



ボーカル:ValveX-SEは力強く、湿り気がある。DAC1は爽やかで、明るい。
      男性ボーカルなら大抵ValveX-SEの方が良い。
      女性ボーカルはどう聞きたいかによるだろう。
      といってもたいていはValveX-SEの方が良いと思われる。
      ValveX-SEでも十分繊細さはあるし、DAC1では少々神経質な感じがする。
      サ行などのかすれはDAC1の方が良くないけれど、ValveX-SEでもなくなりはしない。


音場:ValveX-SEは下方向にのびた楕円といった印象。
    DAC1は基本的に狭い。特に上下は狭い。
    全体的にValveX-SEの方が広いと言えるだろう。
    定位感もValveX-SEの方が良い。というよりもDAC1では距離が把握しにくい。



まとめ:唐突な例えだが、ValveX-SEはブドウで、DAC1はグレープフルーツ。
    果物の好みはあるだろうが、イメージとしてこのような感じ。
    イメージは別としても、基本的な能力としてはValveX-SEの方が高いだろう。
    何を聞くにしてもValveX-SEの方がいいように思われる。
    音場・定位感、低域の安定感からしてクラシックやジャズは言わずもがな。
    ロックにしたって下方向によく伸びる低域は魅力的。
    ポップスを爽やかに聞きたいのなら、DAC1の方が良い、という程度。




ここまでべた褒めのValveX-SEだが、各ヘッドホンとの相性はどうだろうか。


MS-2:○ 良いと思われる。MS-2の欠点をうまく補い、聞きやすくしている。
      しかし、爽やかさは失われる。
      元々使いどころを爽やかな曲としていた自分には少々きつい。
      ロックはGRADOらしさを保ったまま、聴きやすいと思われる。
      バランスはいいのだが、突出した良さが感じにくい。そんな組み合わせ。


DT990PRO:◎ こちらはかなり良い。MS-2とは逆に、長所を伸ばす良さがある。
         低域のふくよかさ、音の輪郭の濃さが生楽器を聴くのに適している。


DT770PRO:△ どうも低域過多に感じる。
         音が変に濃密になりすぎて、こもってしまっている印象。


DJ1PRO:○ 低域の厚みや高域の鮮やかさが増す。その代わり瑞々しさが減る。
       とはいえ、全体的には良い。


HP-M1000:× スピード感がなくなる。ボーカルが少し遠くなる。
         うまく言葉で言いにくいが、この機種の特徴や利点がなくなっている。



こうしてみてみると、高域の個性が強い機種に合う、と言えるかもしれない。


その他


音量は取りやすい。基本的に12時まで回したことはない。
ボリュームの質としてはあまりよくない。
細かい音量の変更がしにくい。音量の印もシルバーなので分かりにくい。


使い勝手は微妙。
入力がRCAピンのみでスルーアウトも同様のものが一つと、選択肢がない。
ヘッドホン端子が二つあるとはいえ、片方は後方でミニジャックなのでかなり使いにくい。
ヘッドホン端子へは刺さりやすく抜けやすい。かといって緩すぎるわけでなく、程よい。
一般的な使用ではノイズはまず感じられない。発熱はあまりない。騒音もない。


デザインも微妙。
やや縦長で、奥行きのある形状はかわいらしいと言えばかわいらしいけれど
バランスは悪いだろう。
フロントパネルは質感・発色ともに良い感じのシルバー。
ボリュームは光過ぎで少々安っぽさを感じる。
窓の部分は黒く、もう少し中が見えても良かったと思う。真空管の光は点。
フロント以外の青の部分は、見慣れればそこまで違和感はないけれど、
他の機器と合わなかったり、インテリアとしては良くないだろう。




総評

厚みがあり、元気のいい音。
それでいて腰高ではなく、安定性がある。
五万円程度の単体アンプとして十分な能力があり、程よい個性もあり、
多くの人に受け入れられるアンプでしょう。


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お米2号

レビュー乙です。DT990PROと相性がいいとφ(..)メモメモ

セラミックさんと持ってるヘッドホンがそこそこ被ってるので買うのはDT990PROくらいで・・・あれ?


by お米2号 (2008-12-02 00:16) 

benoit

なかなか良さそうですね。iDAC-1の音の硬さが真空管を通すと柔らかくなりそうで、真空管が気になるんですよね。
物を買うと、何故か欲しいものが増える。不思議だなぁ。
by benoit (2008-12-02 10:48) 

セラミック

お米二号さん、Niceとコメントありがとうございます。

DT990PROとの相性はホントにいいですね~
今までそんなに使わなかったのですが、出番が増えました。
DT880PROよりもたぶん相性がいいです。
未だに直ってないので勘ですがw
by セラミック (2008-12-04 03:12) 

セラミック

benoitさん、コメントありがとうございます。

真空管といっても、色々ありますからねぇ。
ValveX-SEと違って、izoのiVHA-1は高域の明瞭さや鮮やかさが特徴的ですし、
柔らかさ重視ならHA-1Aの方がいいでしょうし。

ヘッドホンを買うと上流が気になりますし、上流を気にすると電源が、
電源まで行くとソースが、ソースまで気にかけたら・・・・・・
まぁ、物欲に終わりなんてないのかもしれませんね(^-^)
by セラミック (2008-12-04 03:23) 

セラミック

spinさん、Niceありがとうございます。
by セラミック (2008-12-04 03:24) 

セラミック

Rieverさん、Niceありがとうございます。
by セラミック (2008-12-04 03:24) 

セラミック

たつをさん、Niceありがとうございます。
by セラミック (2008-12-04 03:25) 

わびすけ

初めまして。
ValveXの購入を検討している内にこのレビューに辿り着いた訳ですが、一つ質問が。
こちらのレビューは、
PS3--光--DAC1とPS3--アナログ--ValveX-SE
の比較でよろしかったでしょうか?
もしや後者は
PS3--光--DAC1--アナログ--ValveX-SE?

旧型PS3を持っていながらDACを一つも持っていない自分としては、PS3--アナログ--ValveX-SEの構成が助かりますが・・・w
その上、前のレビューでPS3のアナログ出力が絶賛されている事ですしw            
by わびすけ (2009-08-01 11:49) 

セラミック

初めまして、わびすけさん。コメントありがとうございます。

残念ながらPS3--光--DAC1--アナログ--ValveX-SEです。
ちょっと表記が分かりにくかったですかね。
当時、PS3のアナログ出力は主にSPのために使ってました。

PS3--アナログ--ValveX-SEはSACDがどうなるのかなぁ
と言った、ちょっとしたお試しでしか使った覚えがないです^^;
今ではどちらも持っていないので、想像の範疇になってしまうでしょうけど
PS3のアナログ出力だと響きや空間表現が良かったので
ValveX-SEの特徴とはいい感じにマッチすると思います。
拡張性に乏しい組み合わせでもないので、悪くない選択だとは思いますね。
by セラミック (2009-08-03 02:21) 

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